何れにしても、幼い総司を親代わりに林太郎・ミツ夫妻が面倒をみたのは間違いななさそう。
幼少の総司は、林太郎・ミツ夫妻とも併せ次姉キンとも同じ屋根の下で日野に居たと言う事実が、土地の伝聞と
して残されている。
さて、その中で土地に残されて数少ない遺産や遺跡拾い上げ、幼少時の総司との繋がりを巡らして見た。

総司の父親は誰なのか?
沖田勝次郎と言う節と沖田家と井上家との深い関わりから地元の谷春雄さんが唱える、井上家の分家の林太郎
元常と言う節があるが確たる物が判っていない。
下の系譜は沖田家と井上家の関連を示すもので、井上家の本家は千人同心を世襲する松五郎や新選組源三郎
を輩出しているが、その分家の林太郎元常と林太郎房正が沖田家へ養子にいったとされている。
また総司の長姉「ミツ」は近藤周助の養女であったものを総司の面倒を見る為に戻されたとか、色々諸説があり、
総司をめぐる沖田家の血縁関係は正直言ってよく見えない。

新選組隊士として一番の人気は沖田総司をおいて、他には居ないのではないのではなかろうか?
二枚目、剣の達人、最後の別れの世界で美化される小説の世界で後押しされて、フアンがイメージする総司像が
出来上がってしまい、たちまちヒーロに仕立て上げられてしまったように見えてくる。
その神聖化されたヒーロの真の姿を捕らえようと色々な人が系譜調査を試み、その調査結果が多数発表された。
しかし、真実に迫ろうとするその努力も虚しくはその結果を読むと益々、混迷を深め、謎めいたベールの世界に
はまってしまう。
沖田家の個別事情と混乱する幕末の時代背景から、真実の家系を辿れないものになってしまったのであろうか
一方ではそっとして欲しいとする総司の遺志で有るかもしれない。