会津藩が隊士の受け入れを認めると、稍福寺の負傷兵を介護役隊士が同行し、小舟で下総の行徳へ出る。此処から
会津藩の船に乗って利根川を下り古川付近で上陸し、会津行きを果たす。
「勇」は「良順」の紹介で新たな拠点として、五兵衛新田の名主金子家に行くよう指示される。
五兵衛新田の金子家は江戸の中心から離れ、江戸を囲むように流れる隅田川、更に荒川の外周部に位置する。
新選組の目的地は会津であり、五兵衛新田は一時的な潜伏地であり、新人隊士の受け入れる場所として、機能し
体勢の挽回を図った。
幕府陸軍の総裁は勝海舟であるが、その勝に通じる窓口は松本良順で、その連絡に隅田川を下って今戸に向かう
水路でもあった。隅田川に浮かぶ屋形船を使って、今戸の歳三が松本良順の元に往復したと想像できる。

新選組隊士が関連した、神田和泉橋の医学所、負傷した隊士が収容された幕府陸軍病院、新たな拠点となった
五兵衛新田の金子邸の位置関係は下図に表記される。