薩摩藩の400人の行列が京都へ向かうが東海道、生麦に差しかかる頃、居留地から出発した4人はリチャードソン、ボロデール婦人が
先行し、クラークとマーシャルが後を追う形で街道の左側を進んでいた。
其処へ道一杯の大名行列に出くわした。この行列に驚いたリチャードソンの馬がボロデール婦人の馬を押し、溝に足を踏み外してしまう。
慌てて馬を道に戻そうと前に進めたが、これで行列を乱した。
リチャードソン、ボロデール婦人が異常な気配に馬首を返そうとしたが馬はかえって行列の中に入ってしまう。
行列は立ち往生となり、奈良原喜左衛門が刀を抜きリチャ-ドソンに斬りかかる。
ボロデール婦人が帽子を飛ばして、前髪を切られ、一直線に居留地に戻る。
マーシャル、クラークは大怪我をして、神奈川のアメリカ領事館のあった本覚寺へ逃げる。
川崎大師に向かって居る時に一番先頭だったのはリチャ-ドソンで、戻ろうとして一番最後になるが東海道生麦村の中間点位の所に村田屋
勘左衛門の家があり、此処で供頭奈良原喜左衛門に左肩の下から、斜めに、胸と腹を斬られ逃げる所を鉄砲組の久木村治休にも斬られる。
リチャードソンも必死に逃げるが、途中で内臓を落とし、最初に斬られた場所から、約700m南、現在生麦の碑がある所で馬から落ちてバッタリ
と倒れる。
其処え海江田武次が来て、苦しんでいるのでこのまま助からないと、「武士の情け」と喉を一突きし止めを刺す。
たまたま観光のため横浜に訪れ、滞在中の予期せぬ出会いで惨殺され、28歳の短い人生は此処、生麦村で呆気なく閉じられた。
結局1人が即死、3人は重軽傷を負う。
それぞれの殺傷現場は生麦事件関連図の殺傷現場①②で示される。