密生した竹林の北側が道を隔てて北側のゴルフ場に通じる。覆い尽くされる竹林の中に整地された土の道、正に自然の
真っ只中、往時の姿にタイムスリップ出来る空間である。

北側のゴルフ場側から背後の森が城館側である。ゴルフ練習所と隣り合わせに大きな駐車場があり接する広い路面は殆ど平面に繋がっている。
この方面に盛り土などで恒常的維持されるようなな曲輪など、用意されたことは考え難い。

縄張りとは、城全体の平面プランである。川辺堀之内ではどんな縄張りであったかを追って観る。城館の平坦な台地続きで、
敵を遮断し防御体制を築いている。北側の台地に空豪と土塁を設け南北約100m、東西約80mの城館である。
縄張りの姿は概略以下のイメージである。

ゴルフ練習場側の北方の台地続きは地形が完全に開いているため、防禦の困難なこの方面に曲輪(くるわ)など設
ける可能性は少ない

北 ←

→南

縄張り

80m

100m

城館側は一面、竹林で覆われている。旺盛な繁殖力から、地面を掘りおこす「根切り溝」などの手入れが行き届かなく、
竹林は根を張り、この半世紀でも二倍以上の広さに拡大した。
未だ手の付けられない竹林から土器、石器、分銅、嘉永通宝、梅小鉢、醤油の壺、といった、歴史的な遺産が出土さ
れているため、この辺り一帯は人が住んでいた証でもある。
この鬱蒼とした竹林が開発の手を阻んでいる一方、城館に繋る歴史ロマンが眠っているのである。